水野健氏(牧師・カウンセラー)による推薦

○○○ 悲しみを道連れに ○○○
「悲しみを道連れに生きる25のヒント」(ヨベル出版)
著者は、米国の結婚カウンセラーのノーマン・ライトです。私の結婚の準備の本は、彼の著書を多く参考にしています。彼は重度の障がいを持ったお子さんを天に送った経験から書いています。
私は2017年にひとり残されてから、グリーフ・ケアー、グリーフ・ワークの本を多く買い求めました。
どうしたらこの哀しみから抜け出すことができるのかと。
8年経って不思議に今はその関係の本を読みたいと思わなくなっていました。
しかし、この本は別です。
これまで読んだグリーフ関係の本をわかりやすくまとめられています。
そして、私にとって回復の部分が特に心に入ってきました。
「死別からの回復は、高速道路の走行中に、工事などのため何度か一般道に降りなければならないことに似ている。
標識に従うと、いったこともない街や未舗装で走りにくい、でこぼこ道を行かなくてはならない。走る道は曲がりくねっているが、確かに前進はしている。
元の高速道路に戻れるかと時には疑ってしまう。しかし、確かに高速道路はある。いつ、どこで戻れるかはわからないが。」
「死別を痛みと感じなくなるのでしょうか。忘れることなのでしょうか。
そうではありません。これからも何年も思わぬ時に顔を出してくる小さな痛みはあるでしょう。
はたして人生を前に進めることができるでしょうか。
大丈夫です。もちろんできるようになります。」
「今、経験している苦しみは、あなたのうちの何かが復活する可能性につながります。悲しみは、ある種のパワー、これまで眠っていて使われていなかった能力、生き方、他者の新しい同情心、神との新たな関係を呼び起こすかもしれない。」
書名は『悲しみを道連れに生きる25のヒント』
悲しみから逃れるのではなく、別れるのではなく、それを大事な経験として新たな部分を発見する機会とするというのです。
「悲しみを道連れ・・・」ですが、それよりも比べることができない神がいつも寄り添って同行してくださっていることを忘れないようにしたいと思います。